パンパースのおしり拭きで顔を拭くと毛穴がキレイになるって本当?

SNSで「パンパースおしり拭きで顔を拭いたら毛穴が目立たなくなった」という投稿が話題になっています。
入院中で洗顔できず、手元にあったおしり拭きで代用したところ、肌状態が良くなったという体験談。
この記事では本当におしり拭きで顔を拭き取ると毛穴がキレイになるのか?
化粧品開発者の目線から検証していきます。
パンパースのおしり拭きで毛穴がキレイになると言われている理由を考察!

確かに、その投稿ではコハク酸などの成分が収れん作用を持ち、一時的に毛穴が引き締まったように見えたと述べられていますが、「本当に効果があったのか?」を検証していきたいと思います!
結論からお話すると・・・
まず、入院中の規則正しい生活、栄養の改善、十分な睡眠、メイクを避けたことで肌本来のターンオーバーが安定した可能性が高いのではないかと考えられます。
これらはいずれも肌のキメやバリア機能を整える重要な要素であり、おしり拭きが全ての原因と断定するのは早計です。
また、入院中普段よりも洗顔をしなかったこともポイントだったのではないでしょうか。
洗顔のし過ぎで乾燥肌からバリア機能が衰えて肌荒れしていたのが、必要以上に洗わないことから、肌荒れが緩和して、肌荒れが治ったのではないかな?と私は推測しました。
そのくらい現代の”洗いすぎ”は深刻な問題となっています。
物理的に拭き取るので、確かに皮脂の多い脂性肌(オイリー肌)の方は汚れが取れることもあるでしょう。しかし、拭き取り用とするには水分量も油分も足りません。
その状態で拭き取るために擦ってしまうと、お肌にはかなりのダメージになってしまいます。
他のおしり拭きではなく、なぜパンパースなのか?
パンパースのおしり拭きは厚手で大判。そして他のメーカーにはないポコポコした凹凸があります。毛穴用の拭き取りパッドなどにも同じような凹凸がありますよね。
その凹凸が毛穴汚れにいいのではないか?とSNSでは考えられているようです。
しかし、すべての要因を検証したところ、毛穴が一時的に引き締まった印象が得られたのは、生活環境と複数要因が重なった結果と考えられます。
おしり拭きは顔に使っても大丈夫?専門家の見解

顔用に作られてはいない
赤ちゃん用とはいえ、顔用途向けに作られていない製品です。
たとえばパンパースおしり拭きには以下のような成分が入っています
・水、グリセリン、コハク酸(収れん作用)
・クエン酸Na・クエン酸(pH調整)
・安息香酸Na、EDTA-2Na、ポリソルベート20、エチルヘキシルグリセリン(防腐剤・界面活性剤)
これらは赤ちゃんのお尻を清潔に保つには十分ですが、顔の皮膚は非常に薄く敏感です。
特に防腐剤や界面活性剤は肌バリアを弱め、乾燥・炎症の原因になることもあります。
防腐剤が含まれている
成分の中でいうと安息香酸Naとエチルヘキシルグリセリンが防腐剤です。
実はシートの素材である不織布はもともと雑菌が多く、繁殖もしやすい素材です。TOCCOでもシートマスクを無添加で作ろうとしたことがありますが、防腐剤なしではカビが生えました・・・。
保湿剤なども含んで湿度の多いシートをカビや腐食から守るためには、かなりの防腐剤が必要になります。
そういった観点からも顔には使用するのをおすすめしません。
摩擦が刺激になる
また、繊維タイプのシートでゴシゴシ擦る行為自体が物理的刺激となり、角層を剥がす・色素沈着を引き起こすリスクがあります。
赤ちゃん向けとはいえ顔には使用しないことをおすすめします。
毛穴ケアには“洗顔と保湿”が基本

毛穴汚れはやさしく「落とす」ことが基本。擦るケアよりも、落としすぎないケアが出発点です。摩擦レスな洗顔法としては、次の手順が効果的とされています。
①クレンジングジェルでメイクや皮脂を優しく落とす。
②乾燥もたるみ毛穴や角栓の原因である皮脂の過剰分泌の原因になるのでW洗顔不要のものがおすすめ。
③週1程度、ピーリングを取り入れると角栓緩和に役立ちます。
④ぬるま湯(30〜35℃)ですすぎ、肌への負担を最小限に。
さらに、洗顔後はすぐに保湿することが重要です。皮膚の保水性をキープしながらすることで毛穴が引き締まるのと同時に、保湿によってふっくらした毛穴は目立ちにくくなります。
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正しいスキンケアをしても毛穴が気になるときは?

毛穴の開きや詰まりは、体質やホルモンバランス、さらに生活習慣(睡眠・栄養・ストレス)にも関係しています。
特に脂っこい食べ物や夜更かしが続くと、皮脂過剰で毛穴が目立ちやすくなります。まずは生活習慣を見直すことが重要です。
おしり拭きではなく肌に優しい正攻法ケアを
- SNSで話題のパンパースおしり拭きは、生活習慣の改善と相まって毛穴の印象を良くした可能性が高い。
- 顔用ではないため、成分と物理刺激によるリスクが否定できません。
- 毛穴ケアは「適切な洗顔→保湿→生活習慣の改善」が基本
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